「子供のスマホにフィルタリングって必要なのかな?他のうちはどうしてる?」
「うちの子供、スマホ依存症になってるかな?フィルタリングで対策できる?」
「そもそもフィルタリングってなにが出来るの?」
など、子供にスマホを持たせているご家庭では、多くの保護者がお悩みを抱えているかと思います。
この記事では、「フィルタリングとは」「フィルタリングの必要性と根拠」「フィルタリングで出来ること」の3点に絞って、分かりやすく解説していきます。参考にしてくださいね。
子供がスマホに依存してしまうことでどんな影響があるか、過度の使用のリスクなどを事前に知りたい方は、以下の記事で紹介しています。
では、本題に戻ります。
目次
そもそもフィルタリングとは
フィルタリングとは、インターネットやアプリなどを「青少年保護の観点」で判別して、悪質なサイトなどを見れないようにすることを言います。
子供のスマホにフィルタリングアプリを入れ、保護者の方などが自分のスマホなどから管理画面を設定することにより、子供の悪質なサイト閲覧をブロックしたり、有害なアプリなど任意のアプリを使えなくしたりすることが可能です。
また、深夜時間帯などの時間帯制限や、一日の利用時間を制限するなど、インターネットやアプリの利用時間を制限することも可能です。
「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」により、携帯電話キャリアでは、提供する携帯電話の利用者が18歳未満であった場合には、フィルタリングサービスを提供する義務があるため、契約時は必ず導入されています。
i-フィルター for マルチデバイス

フィルタリングサービスは、デジタルアーツ社が提供する「i-フィルター for マルチデバイス」というサービスを利用しています。
「i-フィルター for マルチデバイス」は購入すると4,000円強ですが、携帯会社などでの月々契約の場合、無料から月額300円程度で利用することができます。
※「HUAWEI」というメーカーのスマホは相性が悪く、フィルタリング出来ないケースが報告されていますので、子供用のスマホは別のメーカーの機種を用意しましょう。
各キャリアのフィルタリングサービス
各キャリアによって名称は異なりますが、現在では、全てのキャリアで同じフィルタリングサービスを利用しています。
ドコモ | あんしんフィルター for docomo |
au | あんしんフィルター for au |
ソフトバンク | あんしんフィルター for SoftBank |
ワイモバイル | フィルタリングサービス |
UQモバイル | あんしんフィルター for UQ mobile |
楽天モバイル | あんしんコントロール by i-フィルター |
ご覧の通り、名前を見ただけで同じものを利用していることが分かるかと思います。
実際の使い方などもほとんど同じですので、携帯電話会社を乗り換えても楽でいいですよね。
ちなみに、上記で紹介した会社以外の格安SIM会社などは、デジタルアーツ社本体との契約が必要で、「i-フィルター for マルチデバイス」という名称になります。
事前準備
フィルタリングサービスの機能の多くは、「保護者(管理者)アカウント」を作り、管理者の専用ページから設定することで利用可能になります。
子供のスマホに入っている「i-フィルター」アプリから設定することも可能ですが、保護者のスマホなどから遠隔で設定することも可能です。
基本的には店頭で設定を行っているはずですが、子供のスマホにフィルタリングアプリが入っていない場合は、auの公式ページに乗っている動画が分かりやすいので、リンクを貼っておきますね。
フィルタリングの必要性
これから、フィルタリングサービスの必要性とその根拠を解説していきます。
個人的には、18歳未満の子に対するフィルタリングは「必須」だと思っています。
多くの保護者様も同様のお気持ちかとは思いますが、様々な理由でフィルタリングを外すことを検討されている方もいるはずです。
例えば、
「子供にとって、スマホ利用が不便になるから」
ですとか、
「フィルタリングを利用しなくても、管理できているから」
など、携帯契約時は必須で付いていても、保護者の方が外してしまった場合はフィルタリングを利用することができません。
ですので、まずは、保護者の方にフィルタリングサービスの必要性についてご理解頂く必要があると思っています。
近年では、特にSNSを通じた犯罪に巻き込まれるケースが増加していますので、今回は、SNSの危険性やフィルタリングサービスの関連性を紹介します。
SNSを通じた被害数の推移

上図を見てもらうと分かりますが、平成21年から令和1年までの10年間で、SNSに起因する被害児童が2倍近く増えています。
※児童とは、18歳以下の青少年を指します。以後同様。
SNSの内訳までは公表されているデータがありませんが、LINEやTwitter、Facebook、Instagramなどが該当します。
実は被害に遭っている年齢層は、小学生などの低年齢層よりもむしろ、中学生や高校生など、高年齢層の児童の方が圧倒的に多くなっています。
被害児童が遭った被害

そして、児童が巻き込まれる犯罪の94.7%が、「青少年保護育成条例違反」「児童買春」「児童ポルノ」の3種類に該当します。
青少年保護育成条例違反とは、未成年との不純な交遊であったり、結婚を前提としておらず真摯な交際とは認められない淫行などが該当します。
児童は心身が未成熟ですから、卑劣な大人が児童を誘惑し、困惑させ、歩み寄る姿勢を見せるなど卑怯な手段で近づかれても気づくことができません。
そして、性別問わず、こういった被害の94.7%が性的な被害であり、心に一生消えない傷が残ることも多いのです。
被害児童が被疑者と会った理由
被害の結果から推測可能ですが、被疑者のほとんどが「性的な関係を目的」としていることが分かります。
しかし、実際に会っているからには児童にも何かしらの理由が目的があります(たとえ卑怯な大人に誘導されたものであっても)

上図の通り、被害児童の半数に近い43.9%が金品や性的関係を目的としています。
その他にも理由を見ると分かりますが、そのほとんどが児童の潜在的なニーズに付け込んで犯罪者が歩み寄ってくる、というものです。
被害児童のフィルタリング利用状況
上述した通り、SNSの利用のみで考えた場合でも、インターネット上では情報弱者である児童は常に危険にさらされている状況です。
こういった危険から児童を守るのがフィルタリングサービスなわけですが、その根拠となりうるデータを以下で紹介します。

ご覧の通り、上述した被害に遭った児童の「88.2%」がフィルタリングサービスを利用していなかったのです。
確かに、フィルタリングサービスを利用しているからといって、100%被害に遭わない訳ではありません。
しかしながら、被害に遭った児童のうち「11.8%」しかフィルタリングサービスを利用していなかったことを考えると、有効であると断ずることは出来るかと思います。
フィルタリングで出来ること
まずは、フィルタリングで利用できるサービスの一覧を紹介します。
使用する端末のOSによって、利用できる機能が異なりますので、以下の表をご覧ください。
iOS端末 i-フィルター for iOS | Android端末 i-フィルター for Android | |
リモート管理 | ○ | ○ |
ブロック解除申請 | ○ | ○ |
利用時間制限 | 専用ブラウザー | 端末ロック/ 専用ブラウザー |
一時的な解除 | - | ○ |
位置情報確認 | - | ○ |
ブロックサイト履歴 | ○ | ○ |
アクセスカテゴリの割合統計 | ○ | ○ |
検索単語ランキング | ○ | ○ |
書き込み回数ランキング | ○ | - |
無効化通知メール | ○ | ○ |
利用状況の電子メール通知 | ○ | ○ |
WEBフィルタリング機能 | 専用ブラウザー | 専用ブラウザー |
年齢別の推奨設定 | 「ファミリー」「小学生」 「中学生」「高校生」 「大人」「フィルターOFF」 から選択 | 「ファミリー」「小学生」 「中学生」「高校生」 「大人」「フィルターOFF」 から選択 |
見せて良いサイトの登録 | ○ | ○ |
見せたくないサイトの登録 | ○ | ○ |
ホワイトリスト機能 | ○ | ○ |
書き込みブロック | ○ | - |
購入ページブロック | ○ | ○ |
アプリケーション制御機能 | - | カテゴリ毎/アプリ毎 |
アプリ警告機能 | - | ○ |
この中でとても有効なサービスをいくつかピックアップして紹介します。
- 制限レベル設定
- 有害サイトへのアクセス制限
- 子どもが利用できる時間帯制限
制限レベル設定
「フィルタリングが必要なのは分かるんだけど、、アプリやWebサイトなど逐一設定していくのが面倒。」
という方向けに最適な設定内容が、制限レベル設定です。
「小学生」「中学生」「高校生」「高校生以上」
などの学齢を選択するだけで、その学齢に合ったおすすめ設定を一括で設定出来るため、細々とした設定をする必要がありませんので、本当に楽ちんです。
具体的には以下の表をご覧ください。
小学生 向け | 中学生 向け | 高校生 向け | 高校生 以上 | |
違法情報 | × 制限 | × 制限 | × 制限 | × 制限 |
出会い系 アダルト | × 制限 | × 制限 | × 制限 | × 制限 |
ギャンブル 飲酒・喫煙 | × 制限 | × 制限 | × 制限 | × 制限 |
フィッシング、 セキュリティに問題 があるサイト | × 制限 | × 制限 | × 制限 | × 制限 |
SNS、掲示板 コミュニケーション | × 制限 | × 制限 | × 制限 | ○ 許可 |
グラビア、 オカルト、懸賞 | × 制限 | × 制限 | ○ 許可 | ○ 許可 |
ゲーム、電子書籍 動画配信 | × 制限 | ○ 許可 | ○ 許可 | ○ 許可 |
ショッピング オークション | × 制限 | ○ 許可 | ○ 許可 | ○ 許可 |
※フィルタリングサービスを提供している事業者によって異なる場合がありますが、概ねこのような分け方になっています。
設定が1タップ程度で済むので、保護者の方は非常に簡単ですが、子供から不便さを訴える声が多く上がっているようです。
というのも、一括設定ですから、子供が使いたいアプリまで制限されていることもあり、使いたい時にパスワードを入力しないと使えないためです。
例えば、学齢によっては、SNSサービスが全般的にブロックされてしまいます。(上の表では高校生もSNSが制限されていますよね)
キャリアによっては、LINEやFacebookなどもブロック対象に入ります。
結果、事前にパスワードを教えてあげたり、フィルタリングを解除してあげてしまったりする保護者の方もいるようです。
一括設定は確かに面倒がないわけですが、その分、利便性が低下するように感じます。小さいお子様でない限りは、一度だけ、それぞれを設定する手間をかけてもいいかもしれませんね。
有害サイトへのアクセス制限
有害サイトの認識については、フィルタリングを専門とするネットスター社が作成するURLリストのデータベース、URLフィルタリングに基づいてアクセスを制限しています。
そのため、サイトの内容を個別に確認し、アクセスを制限するものではなく、全ての有害サイトが完全に制限されているわけではありません。
しかし、アダルトやギャンブル、ドラッグなど、子供の発育に悪影響なサイトのほとんどはフィルタリングされており、非常に有効な機能だと言えます。
子どもが利用できる時間帯制限
アプリを曜日ごとに30分単位で設定することが可能です。
夜の時間は全て禁止にしてもいいかと思いますし、生活スタイルに合わせて、〇曜日だけは自由に使えるようにしてあげてもいいかもしれません。
指定の時間を過ぎると、アプリのアイコンが消え、利用が出来なくなる仕組みになっています。
もちろんアプリ自体が消えている訳ではなく、表示されなくなっているだけです。
まとめ
最後にこの記事で紹介した情報をまとめていきます。
まず、フィルタリングサービスを一言で表すと
- 子供のスマホ利用に制限を設けるサービス
です。
子供たちがインターネットを通じて犯罪に巻き込まれるケースが急増していますし、子供がスマホに依存してしまうことで発生する様々なリスクもあります。
フィルタリングサービスはぜひ導入しましょう。
フィルタリングには、
- 制限レベル設定
- 有害サイトへのアクセス制限
- 子どもが利用できる時間帯制限
といった、非常に有効な制限をかける機能がついており、遠隔での設定も可能になっています。
しかしながら、絶対ではありませんし、
なによりも、
子供に内緒でフィルタリングをかけるのは、可能な限り避けましょう。
内緒で制限すれば、内緒で制限を外したり、思わぬ行動に繋がってしまうものです。
「しっかりと話し合い、理解してもらった上で」フィルタリングサービスを有効に活用してくださいね。
これから子供のスマホを検討されている方は、子供のスマホデビューにおすすめのスマホを以下の記事で紹介しています。
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