「スマホのRAMってなに?」
「時々、メモリ?タスク?を消した方がいいんでしょ?」
「iPhoneよりもAndroidの方がメモリが多いんだから、性能もいいんでしょ?」
など、スマホのRAMに関しては、周知の事実のように見えても、実は誤っていることが沢山あります。
この記事では、スマホのRAMに特化して、RAMの知識やタスクとの付き合い方や、スマホをより快適に使うための方法などを解説していきます。
- 「RAM」の大きさで処理速度が変わることがある
- 「RAM」は大きければいいというものではない
- 「RAM」は4GBから6GB程度がおすすめ
- 「RAM」のごみ処理性能が高いからiPhoneは凄い
- 「RAM」のタスクキルは自動に任せよう
- 「RAM」の増設はルート化とアプリで出来る
上記の6つについて解説します。
RAMについて正しく認識することで、自分にピッタリなスマホを選び、RAMの使い方を知ることで、お気に入りのスマホを長く使いましょう。
スマホのRAMとは?
「Random Access Memory」(ランダムアクセスメモリ)の略で、スマートフォンのメモリを指します。
メインメモリ(主記憶装置)とも呼ばれる「作業の一時保管場所」です。
いかに優れた料理人でも、料理スペースがカセットコンロ1台分では、作り終えるまでに随分時間がかかりますよね。
まな板を出し食材を切るまではいいでしょう、その後は、まな板と食材を一度片づけた後に鍋を出し、、と作業スペースが小さいだけで、かかる時間は何倍にもなるのが分かるかと思います。
これは、スマホでも同じで、「CPU」という処理性能がどれだけ良い性能だったとしても、「作業スペース」である「RAM」が小さければ性能を発揮しきれません。
アプリをインストールする時も、アプリを使う時も、インターネットを検索している時でさえも、スマホで何か作業をするときは、作業を「RAM」に保存し、少しずつ取り出しながら処理することで、効率的に演算しているんです。
ですから、「CPU」の性能が同じであれば、「RAM」という作業スペースが大きい方が性能のいいスマホというわけですね。
スマホのスペックを見る時に、「RAM」の容量は必ずチェックするべきです。
大容量メモリの弊害
上述した通り、何か作業をする際に「RAM」が不足していない機種の方が処理は良くなります。
しかしながら、「RAMは大きければ大きいほど性能がいい、ということではありません」し、大きなメモリ容量にはデメリットもあります。
メモリ容量が大きくなれば、それに比例して消費する電力も増加し、バッテリー寿命の減少にも繋がってきます。
実際、ほとんどのアプリを起動していない状態だったとしても、メモリは常に通電しているため、使用する消費電力は変わりません。
その結果、メモリ容量が大きいせいで充電回数が増えますから、その分だけ早くバッテリーは寿命を迎えてしまうでしょう。
いろんなスマホを見てもらうと分かりますが、最近のスマホに搭載されるメモリは4GBがスタンダードです。
しかし、6GBや8GB、現在では12GBのRAMを搭載しているスマホも登場しています。実際、何GBがおすすめなんでしょうか?
RAMの容量と目安
スマホに搭載されているRAMの容量は、ローエンド機種で2GB、ミドルレンジ機種で3GBから4GB、ハイエンド機種で6GBから12GBといった分け方になります。
一般に売られているスマホ機種をRAMの容量によって分けてみました。
物理メモリ 容量 | iOS 機種名 | Android 機種名 |
12GB | Xperia 1 Ⅱ Galaxy Note 20 ultra Galaxy S20 (S20+) AQUOS R 5G Galaxy Note 10 plus | |
8GB | Galaxy S10 (S10+) Google Pixel 5 Xperia 5 Ⅱ AQUOS sense 4 plus Arrows 5G HUAWEI nova 5T | |
6GB | iPhone 12 Pro | Google Pixel 4 HUAWEI P40 lite 5G AQUOS R3 Galaxy Note 9 OPPO Reno A |
4GB | iPhone 12 iPhone 11 Pro iPhone 11 iPhone XS MAX iPhone XS | AQUOS sense 5G AQUOS sense 4 Galaxy A41 Xperia XZ1 OPPO A5 2020 |
3GB | iPhone SE(2st) iPhone XR iPhone X iPhone 8 plus iPhone 7 plus | Galaxy A21 Galaxy A21 HUAWEI nova3 lite Arrows Be4 BASIO 4 |
2GB | iPhone 8 iPhone 7 iPhone SE(1st) | Arrows Be MONO Disney Mobile らくらくスマホ4 |
正直、メモリは4GBか6GB程度あれば十分です。
2GBの機種でも、今現在は使うことが出来るでしょう。しかし、性能的にOSアップデートに耐えることが出来ず、1年から2年後にはほとんど使えなくなってしまうと思います。
それから、
上図の通り、iOSとAndroidで分けていますが、あまり詳しくないAndroid至上主義の方は「iOSはRAMがこれしか入ってないからいらない」なんてことを言っていたりします。
確かに物理的なRAMの容量だけを見た際には、その通りなんですが
iOSは仮想RAMを使っていますし、「ガベージコレクション」の性能が圧倒的に優れているので、そもそもAndroidのようにRAMを大容量にする理由がないだけなんです。
仮想RAMのおかげで、必要に応じて他ストレージをメモリとして使えるようになるので、実質の数値で言えば倍になりますし、ガベージコレクションの性能差を考えると、
「Android OS」と「iOS」のどちらが「快適か?」という問いに対しては、体感値でiOSと回答される方の方が多いはずです。
ガベージコレクション
ガベージコレクションを知るために、まずはRAMの動作について紹介しましょう。
プログラムの処理は基本的にどんな作業も、
1.プログラム処理に必要な情報をRAMに読みこむ
2.読みこんだ情報をもとに、処理を実行する
という2つのステップを踏みます。
上記のステップ1でRAMに読みこまれた必要な情報は、その処理が終わってしまうと不要になり、「メモリ(RAM)に残されたゴミ」のような状態になってしまいます。
様々なアプリを立ち上げれば、その分だけ「処理済みの不要なゴミ」が増えることとなります。そして、そのゴミがそのまま溜まるだけ溜まっていくと、メモリを圧迫し、演算処理をひっ迫させてしまうので、スマホの挙動自体をもの凄く重くしてしまうのです。
これが「メモリ(RAM)が少ないと重くなってしまう」と言われている理由の一つです。
賢明な皆さんはお気づきかもしれませんが、これは例えメモリが大きかったとしても、ゴミが溜まるのは時間の問題です。そのため、このゴミを掃除して、メモリ(RAM)をキレイにしていくれる機能が必要ですよね。
その機能を「ガベージコレクション」と呼びます。
この「ガベージコレクション」の性能は、OSによって大きく異なり、iOSは圧倒的に高性能です。
前述した通り、メモリ(RAM)が小さいのに高性能であるのは、この「ガベージコレクション」も大きく関わっています。
タスクキル
ここで、もしかすると以下のような疑問が出るかもしれませんね。
「ガベージコレクションの性能なんて気にしなくても、タスクを手動で消せばいいんじゃないの?」
バックグラウンドで稼働しているアプリを手動で消す行為を「タスクキル」と呼びます。
確かに、多くのメディアで、スマホの動作を軽くするためにはタスクキルによるメモリの解放が推奨されています。
完全な嘘、と断ずることは出来ませんが、間違いなく言えることは、電池寿命を延ばしたり、利用しているアプリ自体が軽快な動作を保つためには良くない行為なんです。
上述でもありましたが、そもそも、スマホやタブレットというモバイル端末においては「空きメモリがどれほどあるか」が、端末の性能を決めることはありません。
「不足なくメモリがあること」が必要なのであって、常に余っている状態が好ましい訳ではないのです。
そのため、タスクキルをした場合は、
作業スペースであるメモリからはデータが消えてしまっていますので、ストレージからメモリへロードする必要があります。
ストレージからのロードには大量の処理能力が必要で、スマホの稼働をひっ迫する状況を作ります。その結果、さらに消費電力が増加し、スマホの寿命を早めることにも繋がるのです。
実際、一部のアプリの中には、バックグラウンドで動作する必要があるプログラムも存在します、そのため、強制終了されてもすぐに再起動するものもあり、この終了と起動の繰り返しがスマホを著しく遅くしてしまうのです。
Androidでは特に、アプリの重要なプログラムがRAMに保存されるようになっていますが、それは誤って削除したデータや不調になったシステムを素早くリストアできるようにするためです。
もし、追加のリソースを解放する必要がある時は、手動でやらなくても、OSに内臓されたプログラムが自動で最適化してくれますので、本来のまま、端末にまかせていたほうが、性能も寿命も最適に使えるということです。
スマホのメモリ増設
とはいえ、メモリが少ない状態でソーシャルゲームをプレイすると、ホーム画面に戻って検索などをしたときにメモリ不足でソーシャルゲームが終了していて、ステージの最初からやり直しになる。
こんな経験をされた方も多いんじゃないでしょうか。
同様にソーシャルゲームを複数同時に立ち上げたにも関わらず、片方を開くともう片方は最初からになってしまうなども同様です。
正直、一番のおすすめは複数の端末を持つことをおすすめします。
しかしながら、「なんとしても今の端末を軽くする方法を探している」というマニアさんには、
「Swapper 系アプリ」
をインストールすると、メモリを増設することが可能です。
このアプリは、ストレージやSDカードを「メモリ(RAM)」として利用できるようにするアプリで、誰でも簡単に「仮想メモリ」を構築してくれる優れものです。
これの凄さはマニアにしか伝わらないでしょう笑
更に「Swapper 系アプリ」の多くは「root化」しないと使えません。
「root化」とは、Androidのシステム管理における最高権限をオープンにしている状態であり、端末に入っている全てのシステムにアクセスできるようになるため、自分の好きなようにカスタマイズできる機能です。
Androidのバージョン変更、CPUのクロック数高速化、メモリ増設、プリインストールアプリの排除、ゲームハックなど本当になんでもできます。
これ以上のお話しは需要もないと思いますので今回は割愛させてもらいますが、詳しく知りたい方は調べてみてくださいね。
※いつか記事にするかもしれません
まとめ
難しい情報も多かったですので、ここからは簡単にまとめていきます。
この記事では、スマホのメモリである「RAM」について紹介してきました。
「RAM」について知っておくことは、
- 「RAM」の大きさで処理速度が変わることがある
- 「RAM」は大きければいいというものではない
- 「RAM」は4GBから6GB程度がおすすめ
- 「RAM」のごみ処理性能が高いからiPhoneは凄い
- 「RAM」のタスクキルは自動に任せよう
- 「RAM」の増設はルート化とアプリでできる
特に、世間的に誤った認識になりがちな「タスクキル」について振り返りましょう。
「タスクキル」は、非常に有名な操作と言えますが、はっきり言いますとやめた方がいいです。
スマホの処理速度を落とし、スマホのバッテリーの寿命を縮めることに繋がりますので、やたらに気にしてアプリを手動で終了する必要はありません。
もし、追加のリソースを解放する必要がある時は、手動でやらなくても、OSに内臓されたプログラムが自動で最適化してくれますので、本来のまま、端末にまかせるようにしましょう。
そもそも、複数のアプリを立ち上げることでメモリ不足になって困っている方は、2台持ちがおすすめです。
今の時代、スマホ2台くらいは持っていても当然といっても過言ではないでしょう。私は普段使いで5台、家置きで3台持ってますし笑
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