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楽天モバイルの完全仮想化は失敗?安さの理由を徹底解説

「世界の主要キャリアで唯一、1つの料金プランしか出さない。将来的にも出す予定がない」

三木谷浩史会長兼社長

この記事では「楽天モバイルの安さの秘密」について徹底解説していきます!

先着300万人については「1年間無料」、月額料金は「最大2,980円(税込3,278円)」、インターネットは「使い放題」、国内通話も「かけ放題」という、今までの常識を打ち破る料金プランに誰もが驚きましたよね。

実際、2020年4月の発表直後は申し込みが殺到し、公式サイトにも繋がらなくなっていました。

他社が追随し、いろんな料金プランを打ち出してきた今現在においても、料金面においては他社を圧倒し続けているといっても過言ではないでしょう。

高額だった通信費に、価格戦争をもたらしてくれた楽天モバイルには感謝しつつも、

皆さんの中には

「料金が安すぎて不安、何か裏があるのでは?」

「どうせ安かろう悪かろう、でしょう?」

といった考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこまで否定的でないにしろ、

「なんでここまで安いの?」

「待ってたら他のキャリアも安くなるのでは?」

と考えている方もいらっしゃると思います。

ということで、
楽天は「なぜ0円~2,980円(税込3,278円)でここまでのサービスを提供できるのか?」 「なぜこんなキャンペーンが出来たのか?」 「他社(大手)ではなんで出来ないのか?」に焦点を絞って解説していきます。

楽天モバイルの安さの理由

楽天モバイルには、安く「しなければならない」理由と、それを支える仕組みがあります。

まずは安さの理由について、大きな要因を3つ紹介しましょう。

  • 他MNOと目的が違う
  • 完全仮想化ネットワーク
  • 基地局の数が少ない

では、ひとつひとつ見ていきましょう。

他MNOと目的・体質が違う

ドコモといえば?auといえば?SoftBankといえば?

今までのMNOが提供するサービスの核はやはり「スマホ」であり、その他のサービスはスマホ利用者の単価アップ商材(ARPU商材)といっても過言ではありません。

つまり、携帯電話を提供して、携帯電話の利用料金を通して、会社を維持・拡大している会社なのです。

まあ、言われなくても当たりまえのことですよね笑

しかし、楽天といえば?
楽天は、「楽天市場」というAmazonに次ぐEC通販サービス、「楽天カード」や「楽天Edy」などの金融関連サービスなどを中心とした「楽天経済圏」と呼ばれる、グループ内に回遊性を持たせるビジネスモデルを持っています。

ですから、楽天モバイルの目的はあくまでも「楽天経済圏の強みを強化する」ことであり、スマホ事業に全振りしているような他MNOとは根本的に体質が違います。

楽天モバイルという「対お客様商売(いわゆるBtoC)」のスマホ事業で、大きく儲ける必要などないのです。

結果、企業として割けるリソースも変わってきますので、他MNOとの差別化として「価格」で勝負しているのです。

回線数、つまりは会員数を増やし、その他の楽天サービスを使ってもらうことで、会社を維持・拡大している会社なのです。

  • 楽天モバイルは、スマホを顧客獲得だけに使っている
  • その他MNOは、スマホを顧客獲得と利益獲得に使っている

よくよく考えると、動きも全然変わってきそうですよね。

完全仮想化ネットワーク

しかしながら、
事業の目的が違ったとしても、それだけでこんなに安くできるものではありません。

楽天モバイルの安さの理由としては「完全仮想化ネットワーク」が一番大きいでしょう。

完全仮想化ネットワークによって、既存のMNOと比較し「設備投資は40%、運用コストは30%削減できる」と言われています。

通常、アンテナ1本の設置や維持費だけで億単位の金額が必要となっていることを考えると、とても大きな話しでしょうね。

※2018年の8月に、菅官房長官が「携帯料金は4割下げられる」と断定しましたが、その根拠の一つとなっているようです。

今回は、
マニアの方向けに、この「完全仮想化ネットワーク」についても、少し踏み込んで解説していきたいと思います。

基地局の数が少ない

楽天モバイルはまだ参入直後ですし、企業として割けるリソースも他MNOとは大きく変わってきます。言い方を変えると、まだまだ圧倒的に規模が小さいのです。

まずは下の表をご覧ください。

キャリア合計700MHz帯800MHz帯900MHz帯1.5GHz帯1.7GHz帯2.0GHz帯2.5GHz帯3.5GHz帯
ドコモ202,4006,70068,000-26,20017,40070,000-14,100
au119,1006,80056,500-10,500-39,800-5,500
SoftBank126,5004,800-48,4005,80014,50039,300-13,700
UQ63,000------63,000 ※BWA-
楽天13,300
(2021.10)
----13,300---
【LTE/4G】周波数帯毎の基地局数の状況(令和3年総務省発表)
キャリア合計700MHz帯800MHz帯900MHz帯1.5GHz帯1.7GHz帯2.0GHz帯2.5GHz帯3.4GHz帯3.5GHz帯
ドコモ240MHz20MHz30MHz-30MHz40MHz40MHz-40MHz40MHz
au190MHz20MHz30MHz-20MHz40MHz40MHz--40MHz
SoftBank220MHz20MHz-30MHz20MHz30MHz40MHz-40MHz40MHz
UQ50MHz------50MHz--
楽天40MHz----40MHz----
移動通信システム用周波数の割当て状況(令和3年総務省発表)

楽天モバイルが、移動体通信事業者としては、他社と比べていかに局地的なサービスを展開している企業か分かると思います。

楽天モバイルは基地局数が13,300機。割り当てられた電波帯域も合計40MHz分しかありません。

やはり圧倒的なドコモと比較すると、楽天モバイルは少し不安になる数量ですね。

とはいえ、WiMAXでお馴染みのUQも割り当てられた電波帯域は合計50MHz分しかありませんし、アンテナの数が多いのは高周波数のWiMAXは電波障害が多いことに起因しています。

少し不安になる話しをしましたが、アンテナはこれからどんどん増えていく訳ですし、

サービス開始当初の2020年4月は、4,700機でしたから、今はむしろ「よくここまで設置したな」と拍手したいところです笑(何様?)

当然のことですが、小さな規模であれば投資額も抑えられる。結果、月額料金も安くていいわけですね。

エリアごとにアンテナ設置本数を知りたい方は、以下の総務省HPをご覧ください。

楽天モバイル無線局免許状等情報(総務省HP)へ

激安キャンペーンの理由

上記でも説明しましたが、楽天モバイルは「安さによって他MNOと差別化」を図っています。

また、他キャリアでも部分的な仮想化は進められていますが、完全仮想化ネットワークは世界的にも初めての仕組みで、今回の楽天モバイルの動きは、世界的に見ても通信ネットワークのターニングポイントになると思います。

しかしながら、

アンテナはまだ設置中で、与えられている周波数帯が40MHz分しかないことに変わりはありません。

パートナーエリアといって、au回線を借りている地域もあるくらいですから、

控えめに言っても、大手MNO3社と同じ土俵で戦える状態ではなく、非常に限定的なサービスと言わざるを得ないでしょう。

だからこそ、サービス開始当初は、
「先着300万人までは1年無料」という「先行投資」を行い、エリア拡大が落ち着くまで、利用者の不満を抑えてを乗り切ろう!という内容になっているわけです。

「300万人×2,980円×12か月」ですから、実に1072.8億円もの先行投資となっているわけですね。

2021年10月現在においても、
3か月無料で、1GBまでのデータ利用なら月額が0円で使えるスマホというのは、スマホ事業を直接的な利益目的としていない楽天モバイルにしかできないことでしょう。

これは筆者の独断と偏見ですが、こういった大きな施策には「ノリ」と「勢い」も必要です。ですから、理由を挙げるのであれば、三木谷氏の「思い付き」も多分にあると思います笑

※そんなことなかったらすみません。

モバイル通信の仕組み

楽天モバイルの安さの理由に迫るためには、完全仮想化ネットワークの仕組みを知る必要があります。

しかし、
完全仮想化ネットワークを知るためには、そのそものモバイルネットワークの仕組みを知る必要があるため、順番に解説していきます。

では、続けていきましょう。

モバイルネットワークでは、スマートフォンなどの端末に挿入している「SIMカード」と、アンテナや基地局などを備えた「①無線アクセスネットワーク」が電波を通じて無線で通信します。

この「①無線アクセスネットワーク」に用いられる電波の種類(世代)を3G、LTE、4G、5Gと呼称するわけです。

※5Gの「G」は「Generation(ジェネレーション)」の頭文字であり、和訳すると「世代」という意味ですので、「5G」とは「第5世代」を意味します。

そして、その情報が「②コアネットワーク」に送られ、処理されることでインターネットに接続したり、他社のネットワークと接続して音声通話をしたりする仕組みになっています。

上図のピンクの枠の中が、楽天モバイルの「②コアネットワーク」です。

郵便をイメージすると分かりやすいかもしれません。

1.男性が女性へ手紙を出す(電話する)
2.ポストに投函する(最寄りのアンテナが受信する)
3.男性の最寄りの郵便局へ集められる(制御装置へ転送される)
4.男性の最寄りの大きな郵便局へ集められる(交換機へ転送される)
5.女性の最寄りの大きな郵便局へ集められる(交換機へ転送される)
6.~一部割愛~女性へ手紙が届く(電話がくる)

こういった仕組みになっているわけです。

完全仮想化ネットワークとは

上述したモバイルネットワークの仕組みは、本当に簡単にまとめたものです。

本当は、
上図の「制御装置」「認証機器」「制御装置」以外にも、設備や機器がものすごくたくさんあります。それはもう本当にたくさん存在します。

そして今まで、
アンテナなどの「無線アクセスネットワーク」や、交換機などの「コアネットワーク」に用いられる設備は、「それぞれ専用のハードウェアが必要」でした。

「専用のハードウェア」ですから、つまり特注品のようなものです。

その「専用のハードウェア」を外注のベンダー企業から購入し、「専用のソフトウェア」をセットアップすることでシステムを作動させていたのです。

この「ハードウェアが非常に高額だったため今まで通信費が高かった」わけですが、

なぜ大手MNOは、高額な機器を買い続けたのかといいますと、各ソフトウェアは専用のハードウェア上のみでしか動作しなかったのです。

ハードウェアだとかソフトウェアだとか、少し分かりづらいですよね。

ハードウェアとソフトウェアの関係を簡単にイメージしやすいのは「ゲーム」だと思いますので、下の図を見てみてください。

例えば、PS4のソフトをWii Uでプレイすることはできませんよね?

PS4で使いたいソフトがあれば、PS4というハードを買わないといけないです。

つまり、

1.遊びたいゲーム(スマホ通信のために使いたいソフトウェア)を用意
2.そのゲームに対応するゲーム機(ソフトウェアを動かすハードウェア)を用意

といった準備が必要なわけですが、そのゲーム機が特注品で、一つのゲームソフトしか使えないんですよ。。。

邪な目で見ると、少し癒着を感じm

まだ消されたくありませんから、ここで止めておきましょう笑

そこで、
どんなゲームソフトでも遊べる夢のハードがあったら嬉しくないですか?

お気づきですか?
そうです、仮想化というのは、簡単に言えばそういうことです。

話しを戻しますと、
既存の携帯電話会社もネットワークの一部分だけ仮想化していたりはするものの、使いたい機能の多くは専用ハードで実現していますので、一つのソフトウェアに対して、一つの専用のハードウェアが必要になっています。非常に効率が悪いですよね。

しかし楽天モバイルは、アンテナなど物理的な機器が必要な部分を除く、全てのネットワーク設備を仮想化し、仮想化を利用したソフトを使うことで、どんな使いたい機能であっても、ハードウェアを交換することなく実現できるようにしたのです。

楽天モバイルは、この完全仮想化ネットワークによって、コスト面で大きなアドバンテージを2つ持っています。

1.基地局のアンテナ設備一式が20kg程度に収めらており、設置に必要な人員が大幅に減っていること
2.アップデートしたり、バグを修正したりする場合、直接各地の専用ハードを設定する必要などなく、遠隔で自動的にプログラムを配布することでセットアップすることが出来るようになっていること

他にもいくつかありますが、完全仮想化ネットワークの利点によって、月額0円~2,980円(税込3,278円)が実現されている、というわけですね。

逆にいうと、他MNO3社が同等の価格設定するには「ゼロから体制を見直さない限り難しい」ということになります。

まとめ

難しいお話しが多かったかと思いますので、重要なポイントを最後にまとめさせて頂きます。

  • 他MNOと目的が違う
  • 完全仮想化ネットワーク

楽天は、「楽天市場」というAmazonに次ぐEC通販サービス、「楽天カード」や「楽天Edy」などの金融関連サービスを中心とした「楽天経済圏」で大きな成功を収めています。

そのため、他の大手MNOと違い、モバイルサービス単体での利益は目的外になるのでしょう、ということですね。

また、世界初の完全仮想化ネットワークによって

  • アンテナ設置費が安い
  • メンテナンス費が安い

という大きなコストアドバンテージを得られています。

楽天モバイルは全世界のMNOの中でも非常に革新的な仕組みでサービスを提供しています。

こういったサービスには必ずトラブルは起こると思います。

何かが始まった時はそういうものです。それでも、楽天モバイルを利用することで受けられるメリットは本当に大きいと思います!

今ならまだ、3か月無料のキャンペーンを実施しています。

機種もキャンペーン適用で実質無料になるものもありますし、まずはお試しで使ってみるのはいかがでしょうか?

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